CT編MRI編核医学編発展編

CT を、動かして学ぶ

X線CT の原理を、インタラクティブなシミュレーションで学ぶ教材です。減弱と線積分から始めて、サイノグラム、逆投影、FBP、コーンビーム、産業用 CT、逐次近似、線量と画質、アーチファクト、深層学習まで、CT を一通り体験します。後半では、同じ再構成の数学が MRI・核医学(PET/SPECT)でどう姿を変えるか、さらにトモシンセシス・光音響・電子線トモグラフィといった CT を超える断層技術まで扱います。

p(s,θ)=L(s,θ)μ(x,y)dlp(s,\theta) = \int_{L(s,\theta)} \mu(x, y)\, dl
投影の定義。この線積分が、CT編を通して主役になります。

対象として想定しているのは、断層イメージングの原理を数式と直感の両面から理解したい学生、診療放射線技師、エンジニアです。前提とする数学は積分と三角関数程度で、必要な概念は各章で順に導入します。

各章は、短い解説と数式のあとにインタラクティブなシミュレーションが続く構成です。読むだけで済ませず、スライダーやボタンを実際に動かして、パラメータが投影や再構成像にどう効くかを手で確かめてください。第1章から順に読むのがおすすめですが、興味のある章から始めてもかまいません。

目次

CT編

医用から産業用まで、CT の原理と再構成

14 章

第1章X線と減弱

1 本のレイを動かしながら、Beer–Lambert の法則と「投影」の意味をつかむ。

第2章順投影とサイノグラム

Radon 変換を通して、物体が測定データ(サイノグラム)に写る仕組みを見る。

第3章単純逆投影

測定値を塗り戻すだけの再構成がなぜ 1/r のボケを生むのかを確かめる。

第4章フィルタ補正逆投影

中心断面定理からランプフィルタを導き、標準手法 FBP に到達する。

第5章ファンビームとヘリカルCT

扇状ビームの幾何学と再構成に加え、臨床CTのヘリカルスキャンとpitchを扱う。

第6章コーンビームとFDK

3 次元再構成の FDK 法をブラウザで実行し、コーンアーチファクトを観察する。

第7章産業用CT

被写体を回して拡大する。幾何拡大と焦点サイズが分解能を決め、非破壊検査と寸法測定に効く。

第8章逐次近似再構成

ART・SIRT・MLEM/OSEM。方程式を反復で解く再構成と低線量 CT。

第9章線量と画質

ノイズはどこから来るか。σ∝1/√線量の実測、CTDI・DLP、MTF と NPS によるフィルタの定量比較。

第10章スパースビュー再構成

投影を 1/8 に間引いても像は戻るか。圧縮センシングの考え方と TV 正則化(ASD-POCS)をライブで比較する。

第11章アーチファクトとその低減

ビームハードニング・金属・リング・モーション・散乱線。原因と対策をシミュレーションで確かめる。

第12章深層学習・AIによるCT画像改善

ミニCNNをブラウザ内で学習させ、低線量ノイズ除去と汎化の限界を体験する。

第13章スペクトラルCTとフォトンカウンティング

エネルギーは情報である。デュアルエナジーの物質分解と仮想単色画像をライブで試し、PCCT と再構成研究の最前線(拡散モデル・INR)を概観する。

第14章プレイグラウンド

全章の要素を組み合わせて、2 つの再構成パイプラインを比べる実験場。

MRI編

磁気共鳴による断層撮像

4 章

核医学編

放射トモグラフィ(PET/SPECT)

1 章

発展編

限定角度と、CT を超えるトモグラフィ

3 章

CT Lab:インタラクティブな CT 教材

本教材は教育目的の簡略化されたシミュレーションであり、実際の撮像装置の物理・構成・画質を完全に再現するものではありません。